カミングアウト
自分でいうのもアレだが、交友範囲が広い。
躁鬱の波が酷くなると失踪していたので、友人たちに迷惑をかけることは最小限で済んだ。(クソほど心配はさせた)
かつてのヘラヘラした私とも付き合ってくれた友人たちだ。
病名がついたからって、離れていくことはない……と思う。
親しい人たちには、カミングアウトを済ませてある。
隠して付き合いを続けるのも、変だと思ったから。
最初は少し、迷った。
「病気である」と宣言することにより、気を使わせたりしないだろうか、と。
実際、面と向かって言うのには勇気がいる。
なので、少し工夫をしている。
「私のこと心配してるやつがいたら、教えてやって」と友人に告げているのだ。
第三者の言葉を経由して知ってもらうようにすると、不思議と気が楽。
私から伝えるより、友人の口を介した方がマイルドなのだ。
噂話の種にされてもかまわない。
そのうえで、私の病状を知ったうえで、むこうから連絡をくれるやつがいるから。
本当に、恵まれている。
治療を始める直前、鬱の波が大きかったときに、私は携帯電話を壊してしまった。
パソコンも壊しこそしなかったが(しなくてよかった)、電源を入れることもなくなった。
それ以来、数か月間連絡の取れなかった私と、友人たちは以前と同じように接してくれる。
まあ、これまでにも度々失踪していたので、その成果でもある。
暇だろうと、漫画を貸してくれたり、遊びに連れ出してくれたりする。
先日は映画に行った。今月末は旅行に行く。
カミングアウトして良かったと思う。
これまでの知り合いについては、これでいい。
問題は今後だ。
「はじめまして! ところで私、躁鬱なんです☆」
……なんて言うわけにもいかない。
そういう混み入った話をいきなりしてくるような人間はだいたい地雷だ。
これマメな。
おそらく、信用できるレベルまで親しくなってから、
「実は私、躁鬱でさー」
と、なるのだろう。
それなら仕事は?
「躁鬱だから、夜9時以降は連絡取れません。寝ます!」が、世間で許されるのだろうか。
私程度の症状では、障碍者としてはまず扱われない。
『普通の』人間として、やっていかなければいけない。
べつに、それが大変なことだとは思わない。
誰でも、何かしらの問題は抱えていて然るべきだと思うし。
問題があるとすれば、『私程度の病気で』壁がある、と感じさせる世の中そのものだ。
政治家よ、なんとかしてくれマジで。
投票には行くからさ。