ファッキン躁鬱

双極性障害者の明るく楽しいハッピーライフ!

三回目の通院だった。

やっとまともに会話ができるようになったから、改めて確認してきた。

「わたしの診断はSO_UTSUでほぼ間違いないのですか」

「はい」

 

UTSUに効く薬とSO_UTSUに効く薬はまったく違う。

後者がばつぐんに効果を発揮してしまったのだから、そういうことだ。

 

SO_UTSU患者がUTSU症状のみを医師に訴えて誤診されるケースがしばしば存在するというが、私に関してはまったくなかった。

即座にSO_UTSUと断定してくれた、あのデブメガネに私は感謝している。

人あたりはともかく見立てはいい医師だと思う。

 

UTSUは心の疾患だが、SO_UTSUは脳の疾患らしい。

これは私も今日初めて知った。

別物だとは聞いていたが、根本的に原理が違う。

脳の伝達が狂っていて心身に支障をきたすのがSO_UTSUだという。

 

どおりでカウンセリングがないと思った。

医師は私の職業や学歴すら聞かない。家族構成も、成育環境も。

SO_UTSUの場合、それらの話は薬物療法が行き詰ったときにとられる第二の措置だという。

 

徐々に生活習慣を矯正し、薬の量を減らしていく。

治療を続けていけば月に一度ていどの通院で日常生活を送れるようになるだろう。

そうすれば周囲とのトラブルが起きにくくなる。

 

卵が先か、鶏が先か。悲しきかな。

UTSUはトラブルが原因でなり得るが、SO_UTSUは自らトラブルを引き起こしている場合がままあるってことだ。

 

最初の診察の日、私は医師にこう聞いた。

「よくなれば、母との関係もよくなりますか」

「なりますよ」

医師の言葉は慰めでもなんでもなかった。

実際、投薬を始めてからはすべてが円満だ。子供のときみたいに。

 

症状が安定しても、治療を継続しなければ9割以上が再発するという。

一生付き合っていくものなのだ。

 

「原因としては、なにが考えられますか」

これにはデブ医師も言葉を濁した。まだ解明されていないらしい。

だが主に、遺伝やストレスが考えられるという。

 

血縁者にひとり、心当たりがある。

今夜、そのひとに電話して聞いてみる。

もし予想通りだったら、たぶん私は電話口で泣くだろう。

 

日が暮れてきたから、少し感情が乱れている。

朝ほど気分がよく、夕方に近づくにつれ憂鬱だと述べたら、今夜のぶんから薬を増やしてくれた。

きっと明日からは日が沈んでも大丈夫だと思う。

 

睡眠薬も増えた。

私の感覚では「眠れている」と感じているが、医師の計画からすると不十分だという。

ベッドに入って30分以内で寝付くことが目安だという。

薬飲んでも2時間くらいベッドでゴロゴロしてたりするわけで、どれだけ寝るの下手なんだよ、と自分にイライラする。

こっちは日が沈んでからずっと寝ることだけを考えてプレッシャーすら感じてるというのに。

基本的に薬を増やして安心するタイプではない。

病院は嫌いだ。薬も嫌いだ。

伊達に何年も睡眠障害ほっといちゃいない。

クソッタレ。

 

まだ細かいことは考えないようにしよう。

淡々と事実のみを受け入れよう。

眠れなくなったらダメだ。